iOSオールスターズ2に参加してきた感想
帰ってブログ書くまでがイベントって言われたので書くよ! eventdots.jp
ブログなので当然ですけれど、私が思ったことをそのまま書いてます。 (とりあえずファーストインプレッションをダンプしてきます)
あ、登壇者の皆様、本当に貴重な情報をありがとうございました!
RxSwift in Practice
- 状態をストリームとして表現するのは良いと思った。
- しかし、やっぱ殆どのケースでは大げさ=オーバースペック感は否めない。
- インジケータ非表示にするの忘れる、くらいであればテストで十分感あり(発表でもあったけど)。
- やはり状態がたくさんある状態で、最新のViewに更新される必要がある、みたいなケースが活きるのではないか?
- コードレビューをランダムに回すのは良いアイディアだと思った。
- 学習コストが高い、っていうのは素直に認めなきゃと思う。
VC「もしかして...」Model「私たち...」「「入れ替わってるー!?」」を前前前世から防ぐ方法
- ギャグ満載。
- Fat VC=「肥満体質な」VCって表現は分かりやすかった。(コードの臭い匂い的な意味とも通じる)
- クリーンアーキテクチャは大げさ過ぎる気がしたけど、ViewController/Presenterまわりの実装の仕方はありだと思った。
- 「君の名は」を見ておくべきだった?
Type-safe URL Routing in Swift
- サーバサイドの話かと思ったけれど、URLスキーム起動とかでiOSも該当する。なるほど。
- ApplicativeFunctorでパース処理を書けるのは良いと思った。(JSONパーサとかでも活用されてるけど)
- 途中から全く分からん状態!
- 関数型もっと勉強しよう・・・
Using PDF in iOS
- 濃い・・・。
- でも実際にPDFを扱う必要が出た場合に、間違いなく参考になる貴重な情報。
Xcode8で開発はどうかわったのか
- 変わってない。
- Visual DebuggingでAutoLayoutの制約が確認できるようになったのは良いと思った。
- FPS Performance Gauge、いずれ使ってみたい。
- プロファイラも進化したなぁ、と思う。
これから始めるProtocol Buffers導入
- Googleが考えた、シリアライズフォーマット。
- バイナリで高速(サイズがJSONの半分以下に)
- .protoファイルからSwiftコードを生成できる
- ありだとは思うけれど、本当にパフォーマンスが重要な場面以外では導入は控えて、JSONにすべきだと思った
DIを前提にしたiOSアプリの設計
- DIコンテナを使うべきか、というとそこまでは判断できないけど、DI設計はありだと思った。
- 依存性注入を意識したコードスタイルになっていれば、DIコンテナを導入しなくても、テストなどは相当楽になるはず。
- Storyboardからインスタンス生成されるとプロパティインジェクションになっちゃうのは確かに。(個人的にもコンストラクタインジェクション派)
Swiftらしい表現を目指そう
- すごく分かりやすかった。
- イニシャライザは文章っぽく書かなくてもいいってのは知らなかった。
- プロトコル(Haskellで言えば型クラス)を意識したコードを書くのは、もうちょっと日頃意識したいと思った。
おわり
- 楽しかった!
- 途中でピザの匂いで食欲そそられた。
- イベント会場キレイだった。
- 関数型はもっと勉強していくよ!
Qiita記事「Haskell チュートリアル (Haskell Day 2016)」を読んでメモ
以下を読んでメモ。
Haskell チュートリアル (Haskell Day 2016) から学んだこと http://qiita.com/hiratara/items/169b5cb83b0adbfda764
Shell以降は新しいことばっかりだったのと、元記事の完成度が高すぎて途中からは殆ど写経みたいになってしまった。
基本
暗黙的に副作用を起こす式がなく、明示的に副作用を起こす式(IO
型)がある。
言い換えると、IO
型が登場しない関数は副作用がないことを保証できる。
Hindley/Milner型推論アルゴリズムによる推論で、型は1つも書かなくても大丈夫。(read
などは例外)
Shellプログラミング
副作用の塊なので相性が悪いと思われるが(私はそう思ってた)、そうでもない。
1行目にシェバング、2行目にstack runghc
コマンド、を書いておくことで直接実行できる。
#!/usr/bin/env stack -- stack --resolver lts-6.15 --install-ghc runghc --package turtle ...
REPLでは:l
でソースを読み込んで、:main
で実行できる。
その後、:r
、:main
とすると効率的に開発できる。
turtle
Haskellでshell相当の関数が実装されたもの。
以下の2行のおまじないで使える。
#!/usr/bin/env stack -- stack --resolver lts-7.0 --install-ghc runghc --package turtle {-# LANGUAGE OverloadedStrings #-} import Turtle
REPLで試す場合、Stringのオーバーロード設定を忘れずに。
Prelude> :set -XOverloadedStrings
MonadoIO
MonadoIO
は型クラスで、IO
はそのインスタンス。
MonadoIO io => Text -> io ()
は Text -> IO ()
と読みかえて問題ない。
<-
と=
の違い
=
はHaskellの言語仕様で、let
式、where
句で使える。
<-
はバインドの糖衣構文で、do
専用。
main = do let title = "now: " now <- date putStrLn (title <> show now)
<>
は文字列(String
またはText
)の連結。(Monoid)
main関数はmain :: IO ()
という型を持つ。
printfとformat
Turtle.Formatモジュールに定義されている。
*Main> printf ("My name is "%s%". "%d%" years old.\n") "shu1" 0 My name is shu1. 0 years old.
Turtleの関数
-- 引数取得 arguments :: MonadIO io => io [Text] -- ファイルパスに変換 fromText :: Text -> Turtle.FilePath -- 最終更新日付を取得 datefile :: MonadIO io => Turtle.FilePath -> io UTCTime -- Textへ変換 repr :: Show a => a -> Text
mapM IOアクション リスト
という形式で繰り返し処理が出来る。
(「通常の引数をとってモナドに包まれた値を返す」関数をリストにmap
するときに使うものっぽい)
mapM print [1,2,3] mapM echoModified args
IOアクションはモナドから値を取り出した時に、はじめて実行される。
nestedIO = do putStr "Hello, " return (putStrLn "I/O!") main = do r1 <- nestedIO r2 <- r1 -- I/O! はここでの評価によって出力される
ストリーム処理
UNIXのパイプの実現に、IO ...
では役者不足。
Shell ...
というTurtle
が提供する型を利用するのが良い。
IO ...
:すべての結果を一度に返す
`Shell ...``:複数行の結果を1行ずつ返す
入力の関数
入力はShell ...
という型で表現される。
empty :: Shell a stdin :: Shell Text input :: FilePath -> Shell Text select :: [a] -> Shell a "INPUT" :: Shell Text
出力の関数
出力はShell ... -> IO ...
という型で表現される。
最終的にIO ...
になるので、do
ブロックで書ける。
sh :: Shell a -> IO () -- 出力を捨てる view :: Shell a -> IO () -- 出力を表示 stdout, stderr :: Shell Text -> IO output :: FilePath -> Shell Text -> IO () -- ファイルに出力 shell :: Text -> Shell Text -> IO ExitCode -- 外部コマンドに流し込む
パイプの関数
パイプ(|
と|
の間)はShell ... -> Shell ...
という型で表現される。
id :: Shell a -> Shell a limit :: Int -> Shell a -> Shell a inshell :: Text -> Shell Text -> Shell Text -- 外部コマンドを通す
組み合わせ
-- 通常の関数適用 stdout (limit 10 (input "sample.txt")) -- $によるカッコの省略 stdout $ limit 10 $ input "sample.txt" -- 関数合成 (stdout . limit 10 . input) "sample.txt" -- `&`による関数適用(UNIXライク) input "sample.txt" & limit 10 & stdout
fold
Control.Foldl
に定義されたFold
を使って、Stream ...
を回収できる。
import qualified Control.Foldl as Fold fold :: Shell a -> Fold a r -> IO r foldIO :: Shell a -> FoldM IO a r -> IO r
foldl
やfoldr
と違って、初期値は不要。(foldl1
やfoldr1
と同じ)
fmap
すべての行を関数によって変換する。
fmap :: (a -> b) -> Shell a -> Shell b ls "." & fmap (format fp) & stdout
grep
Pattern
とShell ...
をとり、grepされたShell ...
を作る。
grep :: Pattern a -> Shell Text -> Shell Text select ["Haskell", "Turtle", "Shell"] & grep (plus dot <> "ll") & stdout
has
、prefix
、suffix
が便利。
select ["Haskell", "Turtle", "Shell"] & grep (suffix "ll") & stdout
パターンについてはドキュメントを参照。
do記法
IO ...
と同様に、Shell ...
もdo
記法が使える。(モナドだから)
do
ブロックの戻り値はShell ...
となる。
戻り値はループ処理となる。
lsPrintf = do -- Shell ... の do ブロック file <- ls "." -- 全ファイル分、ループ処理される printf (fp%"\n") file main = do -- IO ... の do ブロック lsPrintf & sh
Applicative
[...]
、Maybe ...
、IO ...
、Shell ...
のようなコンテナ型を指す。
通常の関数を使った演算が可能なコンテナのこと。
(<*>) :: f (a -> b) -> f a -> f b (<$>) :: (a -> b) -> f a -> f b (+) <$> [1, 2] <*> [3, 4] -- => [4,5,5,6]
f
がn引数の関数のとき、f <$> x1 <*> x2 <*> x3 <*> x4 <*> ... <*> xn
。
(,)
(タプル)やコンストラクタに適用すると、一度に複数の方法で畳み込める。
Main Fold Turtle> select [1..6] & (`fold` ((,) <$> Fold.minimum <*> Fold.maximum)) & view (Just 1,Just 6)
パーサ
Applicativeはパーサで使われることが多い。
パーサの本質は「文字列の消費」と「結果の生成」からなる。
「結果の生成」をApplicativeで演算。
match :: Pattern a -> Text -> [a] *Main Fold Turtle> match ((,) <$> "a" <> star dot <*> "d" <> star dot) "abcdefg" [("abc","defg")]
戻り値の差し替え
(*>) :: f a -> f b -> f b -- 右のパーサの結果のみを使う (<*) :: f a -> f b -> f a -- 左のパーサの結果のみを使う sed :: Pattern Text -> Shell Text -> Shell Text pure -- パースしない(結果のみを返す) -- 文字列が消費されていって、左か右のどちらの結果を扱うか決めている *Main Fold Turtle> "abcdefg" & sed ("abc" *> pure "xyz") & stdout xyzdefg *Main Fold Turtle> "abcdefg" & sed ("abc" <* "def") & stdout abcg
コマンドライン引数のパーサ
Turtle.Options
でコマンドライン引数をパースできる。
parser :: Parser (Maybe Text, Bool) parser = (,) <$> optional (optText "dir" 'd' "Target directory") <*> switch "show" 's' "Show module names." (mDir, isShow) <- options "Count import." parser
演習問題の答え合わせ
let
は一つの宣言で複数書ける。
let fileTxt = head args file = fromText fileTxt
Haskellでは短い変数名をつけることが多い?(Maybe型の頭にm
をつけるのは分かりやすいと思った)
dt <- datefile file
最後がIOアクションで終わる場合はreturn
は不要。(でも書いておけば、とりあえずコンパイラは黙らせられる)
<-
でバインドしなくても、最終行に記述すればIOアクションは処理される。
nestedIO = do putStr "Hello, " return (putStrLn "I/O!") -- 解答 main = do printIO <- nestedIO printIO -- 私の答え main = do r1 <- nestedIO r2 <- r1 return ()
Turtleの(疑似)パイプ処理は、Shellコマンド実行にしても、関数にしても、&
で繋げられる。
find (suffix ".hs") path & grepImport & (`fold` Fold.length) & view
もうちょっと関数の分離を意識すると良いコードが書けるかも。
Haskell :: CSVフォーマッターを書いてみた
勉強がてら試しに書いてみた。
なんというか・・・以外と難しいね!!
ちなみに全角文字に非対応なのでそのうち。
関数プログラミング実践入門 メモ - 第4章 評価戦略
関数プログラミング実践入門の4章「評価戦略」を読んだので簡単にメモ。
遅延評価(lazy evaluation)
- 実際に使うまで計算しないという計算順序の規則
- たらい回し関数(竹内関数)は、積極評価だと実行に時間がかかり、遅延評価だとすぐ完了する関数(の例)
- メジャーなプログラミング言語の殆どは「積極評価」。正確評価(strict evaluation)や先行評価、厳密評価とも。
- 遅延評価では「無限」を定義できる(実際に使われるまでは評価されないので)
- 人間にとって自然な(無限な)「数列」の定義と、その数列から値を取り出す、というのを分離できる。
評価戦略(evaluation strategy)
- 評価(evaluation)を行うときの計算順の決め方
- ラムダ計算では「簡約(reduction)」という変換操作を行うことで評価を進める。
(\x -> 変数xを含むかもしれない式A) 式B
を式A中の変数xをすべて式Bに置き換えた式
にするような変換規則。
- 式中のどの部分も簡約できない式を「正規形(normal form)」と呼ぶ。
- ラムダ計算が基礎となっている関数型言語において、評価戦略とは「簡約を行う順序の決め方」といえる。
積極評価(eagar evaluation)
最左最外簡約(leftmost-outermost reduction)
- 外側にあるものから
- 左側にあるものから
- を、優先的に簡約していく順序。
- 評価戦略としては「遅延評価」になる
- 最左最外簡約で停止しないラムダ式であれば、他のどのような簡約順を選んでも停止しない。(正規順序)
弱冠頭正規形(WHNF) - weak head normal form
- これ以上適用する値がない関数
- 式の先頭にコンストラクタが出た状態の値
- というところまで評価する、Haskellでの評価戦略。
isJust (Just (1 + 2))
という式では、(1 + 2)
の計算は実行されずにTrue
が得られる。(中身の値は関係ないので)
サンク(thunk)
- 「評価が行われないまま放置されている計算予定」オブジェクト
- 他の言語では「ラムダ式(関数)」を利用することで、同じようなことを実現できる。(関数を呼び出した時に、はじめて計算)
- サンクに予定されていた計算を発生させて値を得ることを「サンクを潰す」と表現する。
- Haskellでは「グラフ簡約(graph reduction)という仕組みで、同じ式が複数回登場する場合に最初の1回だけ評価される。
積極評価 vs 遅延評価
- 「積極評価」の方が、現在の計算機アーキテクチャと相性が良い。
- 「遅延評価」では、
- 必要のない計算を本当に行わないことで計算量を低減できる。(が、実際には稀)
- 「計算の定義」と「その実行」を区別できるため、モジュラリティが高い。(数列定義と取り出し操作など)
評価の制御
seq(seq :: a -> b -> b)
という関数を利用することで、サンクを潰せる。- 1つ目の値を「WHNFまで評価してから」2つめの値になる関数
- let xs = map (+1) [0, 1, 2] in xs
seq
xs ++ xs では、++
する段階でxs
が「WHNF」まで簡約されている
パフォーマンスチューニング
他の言語とチューニング方法は一緒。